【計算してみた】入浴の1番環境に優しい方法
徐々に寒い季節が近づいてきました。
そこで、寒い季節の入浴方法ついて考えてみようと思いました。
寒い季節に、十分温まりながらも、環境に優しい方法での入浴の仕方を考えました。
これまで、寒い季節には私の家では脱衣所で石油ストーブを使っていました。
お湯には浸からず、シャワーのみの使用で寒いので脱衣所を石油ストーブで温めるという方法です。
現在、私の家の給湯機はお湯をためる機能しか付いていません。
つまり、一度お湯をためたら、保温機能がないためすぐに冷めてしまいます。
ですが、石油ストーブは環境に悪いのではないかと思い、保温機能などが付いた給湯機に変えて石油ストーブを使わない方が環境に優しいのではないかと疑問に思って計算することにしました。
おそらく、石油ストーブをセラミックヒーターなどに変えた方が環境負荷は軽減すると思いますが、家族の了承が得られませんでした。
よって、今回は了承が得られた保温機能などが付いた給湯機を取り上げて考えることにします。
つまり、
・お湯には浸からずシャワーのみで、脱衣所で石油ストーブを使用した場合(これまで通り)
と、
・保温機能・追い焚き機能付きのお湯に浸かり、脱衣所では何も使用しない場合
を比較しました。
二酸化炭素排出量に注目して計算しました。
これはあくまでも私の家の場合の計算です。
最初に結果を言うと、前者(これまで通り)より後者の方が二酸化炭素排出量が少なかったです。
それでは、詳しく計算してみます。
数字を見たくない方は、結果へこちらから飛んでください。
まず以下のようなことを前提とします。
・私の家では、お風呂とコンロにLPガスに使っています
・私の家では、だいたい週4日くらいは、お風呂にみんな立て続けで入ります
・週3日くらいは、誰かが帰宅が遅かったりして、立て続けで入りません
・石油ストーブまたは保温機能などが付いた給湯機を10月後半〜4月前半の半年間使うとします
・保温機能などが付いた給湯機はエコジョーズという、エコなものとします。
・計算しやすいように、1ヶ月は28日とします
それでは、単純計算です(間違えている可能性もあります)が、計算していきます。
小数点第二位以下は適当に切り捨てています。
<石油ストーブを使用した場合>(これまで通り)
ひのでやエコライフ研究所推計(7ページ)によると、石油ストーブの二酸化炭素排出量は1時間当たり783gとなっています。
また、新電力比較サイトによると、石油ストーブの二酸化炭素排出量は1時間当たり843gとなっています。
この2つの間をとって、ここでは800g/hとします。
私の家では、みんながお風呂に立て続けで入る4日/週は、ストーブを合計で約30分間つけます。
よって、二酸化炭素排出量は30分間で
800g÷2=400g
となります。
それが4日/週なので
400g×4=1600g
となります。
それが1ヶ月(4週間)で、
1600g×4=6400g
となります。
それが半年(6ヶ月)で、
6400g×6=38400g …①
となります。
そして、立て続けに入らない3日/週は、ストーブを合計で約1時間つけます。
よって、二酸化炭素排出量は1時間で
800g×1=800g
となります。
そしてそれが3日/週なので、
800g×3=2400g
となります。
それが1ヶ月(4週間)で、
2400g×4=9600g
となります。
それが半年(6ヶ月)で、
9600g×6=57600g …②
となります。
①と②を足し合わせると、
38400g+57600g=96000g
つまり、96kgとなります。 …③
さらに、灯油の運送過程における二酸化炭素排出量も計算します。
私の家では、灯油は半年で約36L消費します。
灯油の輸入先は分からないので、日本の石油輸入量の中でもっとも割合が高いペルシャ湾とします。
また、それが船で千葉県に届いたとし、そこからトラックで運ばれてきたとします。
そして、物 流 分 野 の C O 2 排 出 量 に 関 す る
算 定 方 法 ガ イドラ イン 6ページの計算方法を使用します。
レファレンス協同データベースによると、灯油は1L当たり0.8kgです。
よって、灯油36Lは
36L×0.8=29kg
となります。
まずペルシャ湾から千葉県までの輸送過程です。
距離は石油連盟 もっと知りたい!石油のQ&A 18ページによると、12000kmです。
先程の計算方法に当てはめると、
二酸化炭素排出量
=重量0.029t×輸送距離12000km×0.000026L/tkm×1/1000kL/L×単位発熱量39.1GJ/kL×排出係数0.0189t-c/GJ×44/12t-co2/t-c
=0.00002452t
つまり、0.02452kg、24.52g …④
となります。
燃料使用原単位は、国土交通省国土交通政策研究所 物流CO2排出量簡易算定ツールについて を参考にしました。
つぎに、千葉県からトラックでの輸送過程の計算です。
二酸化炭素排出量
=重量0.029t×輸送距離400km×0.0741L/tkm×1/1000kL/L×単位発熱量34.6GJ/kL×排出係数0.0183t-c/GJ×44/12t-co2/t-c
=0.0199t
つまり、19.9kg …⑤
となります。
④と⑤を足し合わせると、
24.52g+19.9kg=19.92kg …⑥
となります。
⑥を③と足し合わせると、
96kg+19.9kg=115.9kg …⑦
となります。
そしてここで、私の家はコンロもLPガスなので、その分の二酸化炭素排出量も含めて考えます。
私の家の2020年9月分のガス使用量を確認したところ、二酸化炭素排出量は33.8kgと記載されていました。
よって、それを1ヶ月あたりの数値として考えます。
それを半年(6ヶ月)間分にすると、
33.8kg×6=202.8kg …⑧
となります。
⑦と⑧を足し合わせると、
115.9kg+202.8kg=318.7kg …⑨
となります。
この⑨の318.7kgが、これまで通り石油ストーブを使った場合の二酸化炭素排出量です。
では次に、エコジョーズの給油機を設置した場合の計算をしていきます。
<エコジョーズの給油機を設置した場合>
私の家の場合、約150Lのお湯をためます。
みんなが立て続けに入る4日/週は、給湯式のみの使用で、追い焚きは使用しません。
エネチェンジによると、200Lためるときの費用は、
101.34円/回です。
そして、PURPOSEによると、エコジョーズの場合は一般的なものより、費用も16%削減されるので、
101.34円×0.16=16円
101.34円-16円=85.34円
となります。
150Lの場合は、200Lの75%なので、
85.34円×0.75=64円 …⑩
となります。
1週間で、
64円×4=256円
となります。
1ヶ月(4週間)で、
256円×4=1024円 …⑪
となります。
私の家の2020年9月の二酸化炭素排出量と価格をもとに、求めていきます。
(基本料金は使用量や二酸化炭素排出量に関係ないため、含めません。)
9月は、二酸化炭素排出量が33.8kg、料金が2982円でした。
これは31日間であるため、28日間分に直して考えます。
28日÷31日×100=90.3%
となります。
よって、二酸化炭素排出量は
33.8kg×0.903=30.5kg …⑫
となります。
料金は、
2982円×0.903=2692円 …⑬
となります。
1024円は2692円の
1024円÷2692円×100=38%
となります。
よって、二酸化炭素排出量は
30.5kg×0.38=11.59kg
となります。
それが半年(6ヶ月)で、
11.59kg×6=69.54kg …⑭
となります。
そして、立て続けに入らない3日/週は、給湯式と追い焚き1回の使用とします。
給湯式は⑩より、1日当たり64円だったので、
1週間で、
64円×3=192円
となります。
そして、1ヶ月(4週間)で、
192円×4=768円
となります。
これは、⑬の2692円の
768円÷2692円×100=28.5%
となります。
よって、二酸化炭素排出量は⑫の30.5kgより、
30.5kg×0.285=8.69kg
となります。
これが半年(6ヶ月)で、
8.69kg×6=52.14kg …⑮
となります。
追い焚きは、省エネ性能カタログ2019年版 (経済産業省 資源エネルギー庁)によると、200Lで追い焚き1日1回で、年間の二酸化炭素排出量は約87kgです。
150Lだと、
87kg×0.75=65.25kg
となります。
これを1日当たりにすると、
65.25kg÷365日=0.1787…kg/日
つまり、178.7g/日
となります。
これが3日/週なので、
178.7g×3日=536.1g
となります。
これが1ヶ月(4週間)で、
536.1g×4週間=2144.4g
となります。
これが半年(6ヶ月)で、
2144.4g×6ヶ月=12866.4g
つまり、12.86kg …⑯
となります。
⑮と⑯を足し合わせると、
52.14kg+12.86kg=65kg
となります。
これを⑭と足し合わせると、
65kg+69.54kg=134.54kg …⑰
となります。
そして、エコジョーズにすると、コンロのガスも、通常のものより二酸化炭素排出量を16%削減できるということになるので、
⑧で出た202.8kgの16%削減したときの二酸化炭素排出量は、
202.8kg×0.16=32.4kg
202.8kg-32.4kg=170.4kg …⑱
となります。
⑰と⑱を足し合わせると、
134.54kg+170.4kg=304.94kg
となります。
この304.94kgが、保温機能などが付いた給湯機を設置し、石油ストーブは使用しない場合の二酸化炭素排出量です。
これらのことから、
・これまで通り石油ストーブを使った場合の二酸化炭素排出量…318.7kg
・保温機能などが付いた給湯機を設置し、石油ストーブは使用しない場合の二酸化炭素排出量…304.94kg
となります。
よって、保温機能などが付いた給湯機を設置した方が、石油ストーブを使用するよりも環境に優しいということが分かります。
ただ、かなり大きな違いがあるというわけではありません。
半年で約14kgの違いです。
しかし、保温機能などが付いた給湯機の方が環境に優しいなら、それを設置しようと思い、ガス会社に費用を見積もってもらいました。
そうしたところ、20万と少しかかるようでした。
20万以上とその価格が高めであることと、この差があまり大きくないことから、設置はしない方がいいという結論に至りました。
というわけで、私の家はこれまで通り石油ストーブを使用することになります。
もっと大きな違いがあれば新しい給湯機を設置していたと思います。
また、ガス会社に見積もってもらったときにいただいたパンフレットに、浴室暖房乾燥機が載っていました。
そういった機器の存在を知らなかったのですが、そちらの方が環境に優しいようです。
それに変えてもいいのかと思いました。
しかし、家族の何人かはこれから、今現在の家を出る可能性も十分あるので、そういった状況も踏まえて、今から工事等をして新しい給湯機を設置したり、暖房乾燥機を設置したりする必要性はあまり高くないのではないかということになり、こういった結果になりました。
何かの参考なれば幸いです。
では、お読みいただきありがとうございました!